犬の睡眠時間はどれくらい?年齢別の目安とぐっすり眠れる寝床・環境づくり

クッションの上で眠るビーグルの子犬 care
Dog 🐶 sleeping 💤

気づくといつも寝ている、夜中にうろうろして眠れていないようだ、寝ながら足をばたつかせている——。犬の睡眠は、飼い主が毎日目にしているのに意外とわかりにくいテーマです。実は犬は人よりずっと長く眠る動物で、成犬でも1日12〜15時間ほど眠るのが一般的な目安とされています。

この記事では、子犬・成犬・シニア犬の睡眠時間の目安、寝相や寝言の見方、ぐっすり眠れる寝床と部屋のつくり方、夜鳴きや夜中の徘徊など眠りの困りごとへの向き合い方まで、まとめて整理しました。

クッションの上で眠るビーグルの子犬

犬の睡眠時間の目安(年齢別)

犬は、夜にまとめて眠るだけでなく、昼間にも短い眠りを何度もとります。人のように「夜に7〜8時間」と決まった形ではなく、うとうとと熟睡を1日に何度も繰り返すのが犬の眠り方です。そのため、1日の合計で見ると長く感じられます。

年齢の目安 1日の睡眠時間の目安 眠り方の特徴
子犬(〜1歳ごろ) 約18〜20時間 遊んではすぐ眠る。成長のために長い休息が必要
成犬(1〜7歳ごろ) 約12〜15時間 夜の睡眠+日中の昼寝。生活リズムは家族に合わせやすい
シニア犬(7歳ごろ〜) 約18〜20時間 眠りが浅くなり、昼夜のリズムが崩れやすいこともある

上の数値はあくまで一般的な目安です。大型犬は小型犬より長く眠る傾向がある、散歩や遊びが多かった日は長く眠る、季節や気温で変わるなど、個体差や日による違いはかなり大きいものです。大切なのは「平均と比べて多い・少ない」より、その犬のいつもの眠り方と比べて変化がないかを見ることです。

犬の眠りは「浅い眠り」が多い

犬の眠りは、浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返しています。もともと周囲の物音に反応しやすい動物で、眠っている時間のうち浅い眠りの割合が人より多いといわれています。小さな音で耳が動いたり、すぐ顔を上げたりするのはそのためです。合計の睡眠時間が長いのは、浅い眠りが多いぶん、時間をかけて休息をとっていると考えるとイメージしやすいでしょう。

寝相・寝言・ぴくぴく動くのは大丈夫?

犬の寝姿を見ていると、丸くなったり、お腹を出したり、寝ながら足を動かしたりとさまざまです。寝相には、その時の気温や安心感があらわれやすいといわれています。

毛布の上で丸くなって眠るグレーハウンド
寝相 よくある見え方 考えられる背景(一般的な傾向)
丸くなって眠る 体を小さく丸め、鼻先をしっぽの近くに入れる 寒さをしのいでいる、少し周囲を警戒している
横向きに寝そべる 体を横にして足を伸ばす リラックスしている。深い眠りに入りやすい姿勢
お腹を出してあおむけ 足を上に向けて眠る 暑さを逃がしている、環境に強く安心している
伏せの姿勢 あごを前足や床にのせる うたた寝。すぐ動けるようにしている
うつぶせで手足を広げる お腹を床につけて手足を伸ばす 床の冷たさで体を冷やしている

寝相だけで気持ちを決めつけることはできませんが、「最近いつも丸まっている」なら部屋が寒いのかもしれない、「お腹を床につけてばかり」なら暑いのかもしれない、といった室温を見直すヒントとして役立ちます。

寝言やぴくぴく動くのは浅い眠りのサイン

眠っている犬が「くーん」と声を出したり、足を走るように動かしたり、まぶたの下で目が動いたりするのは、浅い眠り(レム睡眠)のときによく見られる様子です。夢を見ているのでは、ともいわれます。多くの場合は自然なことなので、無理に起こさずそっとしておくのが基本です。急に触ると驚いて反射的にかんでしまうこともあります。

ただし、眠っているときの動きとは違い、体が硬直したまま激しくけいれんする、呼びかけてもまったく反応しない、意識が戻ったあとふらつく、よだれや失禁を伴う、といった様子がある場合は、眠りとは別の原因も考えられます。動画を撮っておき、自己判断せずかかりつけの獣医師に相談してください。いびきが急に大きくなった、寝ているときの呼吸が苦しそうという場合も同様です。

ぐっすり眠れる寝床のつくり方

犬が落ち着いて眠るためには、「安心できる場所」と「体に合った寝床」の両方が大切です。特に子犬や環境が変わったばかりの犬は、寝床が落ち着かないと夜中に何度も起きてしまうことがあります。

ふちのある犬用ベッドで眠る小型犬

置き場所:静かで、家族の気配が感じられる場所

人の出入りが激しい玄関や廊下、テレビやスピーカーのすぐ横、エアコンの風が直接当たる場所、窓際で日差しや冷気が強い場所は、落ち着いて眠りにくい場所です。一方で、家族からまったく離れた部屋だと不安になる犬もいます。静かだけれど家族の気配がわかるリビングの隅などが選ばれやすい場所です。

クレートやケージを寝床にしている場合は、3方向を壁や布で囲うと「巣穴」のように感じて落ち着きやすくなります。クレートに慣らす手順は犬のクレートトレーニングで詳しく紹介しています。

ベッドの選び方

タイプ 特徴 向いている犬
ふち付き(カドラー型) 周囲が盛り上がっていて、あごをのせたり丸まったりしやすい 丸まって寝るのが好きな犬、小型犬
マット・フラット型 平らで体を伸ばしやすい。クレートにも敷きやすい 体を伸ばして寝る犬、暑がりの犬
ドーム・ハウス型 屋根があり、囲われた空間で眠れる 隠れるのが好きな犬、寒がりの犬
高反発・低反発マット 体圧を分散しやすく、立ち上がりやすい シニア犬、大型犬、関節が気になる犬
クール素材 接触面がひんやりしやすい 夏場、暑がりの犬、短頭種

サイズは、体を伸ばして横になっても頭や足がはみ出さない大きさが目安です。丸まって寝る犬でも、季節によって伸びて寝ることがあるので、少し余裕のある大きさが安心です。カバーが外して洗えるものだと、毛やにおいがこもりにくく清潔を保ちやすくなります。

中綿や布をかじってしまう犬は、誤飲につながることがあるので、かじり始めたら素材を変える・使う時間を見守れるときに限るなどの工夫をしましょう。

室温・明るさ・音

  • 室温は人が薄着で快適に過ごせるくらいを目安に、寒い時期は毛布、暑い時期は冷感マットで調整する
  • 夜は照明を落とし、豆電球程度にするなど昼と夜の明るさに差をつける
  • 冷蔵庫や洗濯機など、夜中に音が出る家電の近くを避ける
  • 床が冷たい季節は、寝床の下に断熱マットやラグを敷く
  • 寝床のそばに飲み水を置き、夜中でも飲めるようにしておく

寒い季節の室内環境づくりは寒い時期の犬のケアもあわせて参考にしてください。

昼と夜のリズムを整える1日の過ごし方

夜にぐっすり眠るためには、日中の過ごし方も大切です。昼間ずっと寝てばかりで刺激が少ないと、夜に元気が余ってしまうことがあります。反対に、寝る直前まで激しく遊ぶと興奮が残って寝つきにくくなります。

時間帯 過ごし方の例 ポイント
朝 起きたら散歩・朝ごはん 朝の光を浴びて1日のリズムをつくる
日中 昼寝・知育おもちゃでひとり遊び 昼寝は自然なこと。ときどき軽い刺激を入れる
夕方 散歩・遊び・トレーニング しっかり体と頭を使う時間をここに置く
夜 夜ごはん→ブラッシングなど静かなスキンシップ 寝る1〜2時間前からは落ち着いた過ごし方に
就寝前 トイレをすませてから寝床へ 毎日だいたい同じ時間・同じ流れにする

ポイントは、起きる時間・寝る時間・ごはんの時間をなるべく毎日そろえることです。決まった流れがあると、犬も「この後は寝る時間」と予測できるようになり、落ち着いて寝床に向かいやすくなります。散歩の時間配分は犬の散歩の時間と回数の目安、雨の日の工夫は室内でできる犬の遊びも参考になります。

眠りの困りごと別の向き合い方

子犬の夜鳴き

家に迎えたばかりの子犬は、母犬やきょうだいと離れた不安や、新しい環境への緊張から夜に鳴くことがよくあります。鳴くたびに抱き上げると「鳴けば来てくれる」と覚えてしまう場合もあるため、まずはトイレ・空腹・寒さなど困りごとがないかを確認し、問題がなければ近くで静かに見守るのが一般的な対応です。

最初の数日は寝床を飼い主の寝室の近くに置く、においのついたタオルを入れるなどで安心しやすくなることもあります。月齢が低いうちは夜中にトイレに起きることも自然なので、子犬のトイレトレーニングとあわせて進めていきましょう。

夜中に起きてうろうろする

成犬が夜中に起きて歩き回る背景には、日中の運動不足、トイレの間隔、物音への反応、暑さ・寒さなど、さまざまな理由が考えられます。まずは環境と日中の過ごし方を見直すのが第一歩です。

シニア犬では、昼夜のリズムが崩れて昼間に眠り、夜に起きて歩き回ったり鳴いたりすることがあります。年齢による変化のこともあれば、体の不調や認知機能の変化が関係している場合もあり、見た目だけで判断することはできません。夜の様子が急に変わった、毎晩続くときはかかりつけの獣医師に相談し、家庭でできる対策を一緒に考えてもらうと安心です。シニア期の暮らし方はシニア犬のケアでもまとめています。

飼い主と一緒に寝てもいい?

犬と同じベッドで寝るかどうかは、家庭ごとの考え方で決めてよいことです。安心して眠れる犬もいれば、人の寝返りで何度も起こされる犬もいます。一緒に寝る場合は、小型犬や子犬がベッドから落ちてけがをしないよう高さに注意すること、寝具を清潔に保つこと、ひとりでも眠れる寝床を別に用意しておくことがポイントです。旅行や入院、来客時など、一緒に寝られない場面でも落ち着いて過ごしやすくなります。

環境が変わると眠れない

引っ越しや旅行先、ペットホテルなど、慣れない場所ではなかなか寝つけない犬も少なくありません。いつも使っているベッドやタオル、クレートを持っていくと、においが安心材料になります。到着後すぐに寝床の場所を決めて、そこでおやつを与えるなど「ここは安心できる場所」と伝えてあげると落ち着きやすくなります。

こんな眠りの変化は獣医師に相談を

睡眠時間は個体差が大きいため、多少長い・短いだけで心配しすぎる必要はありません。ただし、いつもと違う変化が続く場合は、体調の変化が隠れていることもあります。次のような様子が見られたら、自己判断せずかかりつけの獣医師に相談してください。

  • 以前より明らかに長く眠るようになり、起きていても元気や食欲がない
  • 寝ている時間が急に短くなり、夜中に落ち着きなく歩き回る日が続く
  • 寝ているときの呼吸が速い・苦しそう、いびきが急に大きくなった
  • 横になるのを嫌がる、何度も寝る姿勢を変えて落ち着かない
  • 寝起きに足をかばう、立ち上がるのに時間がかかる
  • 眠っている間のけいれんのような動きがあり、呼びかけに反応しない

受診の際は、「いつから」「1日にどのくらい寝ているか」「夜中に何回起きるか」などをメモしておくと、様子を伝えやすくなります。スマートフォンで寝ているときの動画を撮っておくのも役立ちます。受診の準備については動物病院の受診のポイントも参考にしてください。

まとめ:眠りは「いつもとの違い」を見る

犬は成犬でも1日12〜15時間ほど、子犬やシニア犬はさらに長く眠るのが一般的です。よく寝ていること自体は自然なことで、静かで安心できる寝床と、毎日そろった生活リズムがあれば、多くの犬は自分のペースで休息をとれます。

寝相や寝言は、室温や安心感を知るヒントにもなります。日ごろから愛犬の眠り方を見ておき、いつもと違う変化が続いたときに気づけるようにしておきましょう。

この記事の睡眠時間や過ごし方は一般的な目安です。適した睡眠や運動量は犬の年齢・犬種・体調によって異なります。眠り方や体調で気になることがある場合は、自己判断せずかかりつけの獣医師に相談してください。

画像クレジット:アイキャッチのビーグルの子犬の写真 = Slyronit(CC BY-SA 4.0)/丸くなって眠るグレーハウンドの写真 = Chaoticfluffy(CC BY-SA 3.0)/犬用ベッドで眠る小型犬の写真 = Tomwsulcer(CC0)。いずれも Wikimedia Commons より。

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